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借地権付き建物の売買・売却・譲渡を進めるうえでの注意点

「借地権付きの建物を売却したいけれど、何から始めればいいのかわからない」「地主の承諾が必要と聞いたけれど、具体的にどう進めればいいの?」――このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
借地権付き建物の売却は、通常の不動産売却とは異なる特有の手続きや注意点が存在します。
地主との関係性、承諾料の交渉、買主探しの難しさなど、クリアすべきハードルが複数あるため、正しい知識を持たずに進めると思わぬトラブルに発展することもあります。

本記事では、借地権付き建物の売却を検討されている方に向けて、借地権の基礎知識から売却方法の選択肢、手続きの流れ、税金・費用、そして売却を成功させるためのポイントまでを網羅的に解説します。
2026年現在の法制度や実務に基づいた最新の情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

借地権とは?売却前に押さえておきたい基礎知識

借地権とは?売却前に押さえておきたい基礎知識 借地権とは?売却前に押さえておきたい基礎知識

借地権付き建物の売却を考える前に、まず「借地権」そのものについて正確に理解しておくことが重要です。
借地権の種類や権利の内容を把握することで、売却時に取るべき行動や交渉のポイントが見えてきます。
ここでは、借地権の定義・種類・特徴について基礎から解説します。

借地権の定義と法的な位置づけ

借地権とは、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利のことを指します。
借地借家法(平成4年施行)および旧借地法(平成4年以前に設定されたものに適用)によって規定されており、土地の所有権は地主(底地権者)にありながら、借地権者は地代を支払うことでその土地上に建物を建て、所有し、利用することができます。

借地権は財産的な価値を持つ権利であり、相続の対象にもなります。
また、一定の条件を満たせば第三者に売却することも法律上認められています。
ただし、売却に際しては地主の承諾が原則として必要となる点が、通常の不動産売却と大きく異なるポイントです。
借地権の種類や権利関係を詳しく確認したい方は、借地権とは?種類・売却・相続まで専門家がわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

参考:裁判所|借地非訟事件について

旧借地法と借地借家法の違い

借地権には、大きく分けて「旧法借地権」と「新法借地権(借地借家法に基づく借地権)」の2種類があります。
平成4年(1992年)8月1日より前に設定された借地権は旧借地法が適用され、それ以降に新たに設定されたものには借地借家法が適用されます。

旧法借地権は借地権者の保護が手厚く、契約期間が満了しても正当事由がない限り地主は更新を拒否できません。
そのため、事実上半永久的に土地を使い続けることが可能であり、都市部を中心に現在でも旧法借地権が数多く存在しています。

一方、新法借地権には「普通借地権」と「定期借地権」があります。
普通借地権は旧法と同様に更新が原則認められますが、定期借地権は契約期間満了時に更新がなく、建物を取り壊して土地を返還する必要があります。
定期借地権付き建物の場合、残存期間が短くなるほど売却価格が低下しやすい傾向にあります。

借地権の種類と売却への影響

地上権と賃借権

借地権はさらに「地上権」と「賃借権」に分類されます。
地上権は物権(物に対する権利)であり、登記が可能で、地主の承諾なしに自由に譲渡・転貸できるという強力な権利です。
一方、賃借権は債権(人に対する権利)であり、譲渡や転貸には原則として地主の承諾が必要です。

実務上、借地権の大多数は賃借権であるため、売却時には地主の承諾を得る手続きが不可欠となります。
地上権であれば売却のハードルは比較的低くなりますが、地上権が設定されているケースはごく限られています。
ご自身の借地権がどちらに該当するかは、契約書や登記簿で確認しておきましょう。

定期借地権付き建物の特殊性

定期借地権付き建物の場合、契約期間の満了とともに土地を返還しなければならないため、残存期間が売却価格に大きく影響します。
一般定期借地権(50年以上)、事業用定期借地権(10年以上50年未満)、建物譲渡特約付借地権などの種類がありますが、いずれも更新がないという点は共通しています。
残存期間が短い物件ほど買い手がつきにくく、価格も下がりやすいため、売却のタイミングには十分な注意が必要です。

借地権付き建物の売却方法|5つの選択肢

借地権付き建物の売却方法|5つの選択肢 借地権付き建物の売却方法|5つの選択肢

借地権付き建物を売却する方法は一つではありません。
地主との関係、物件の状態、売却の緊急度などによって最適な方法は異なります。
ここでは代表的な5つの売却方法について、それぞれのメリット・デメリットを交えて解説します。

第三者への売却(地主の承諾を得て行う方法)

最も一般的な方法が、地主の承諾を得たうえで第三者(個人や法人の買主)に借地権付き建物を売却する方法です。
この場合、地主に対して「譲渡承諾料(名義変更料)」を支払うことが通常求められます。

譲渡承諾料の相場は借地権価格の10%前後とされていますが、地域や個別の事情によって異なります。
地主との交渉次第で金額が変動するため、事前に不動産業者や専門家に相談しておくことが望ましいでしょう。
第三者への売却は市場価格に近い価格で売れる可能性がある反面、地主との交渉や買主探しに時間がかかることがあります。

地主への売却(借地権の買戻し)

借地権を地主に買い取ってもらう方法です。
地主にとっては完全な所有権を回復できるメリットがあるため、交渉がまとまることも少なくありません。
譲渡承諾料が不要になるケースが多く、手続きもシンプルになりやすい点が魅力です。

ただし、地主が購入を望まない場合や、提示価格に大きな差がある場合は交渉が難航することもあります。
また、地主と日頃から良好な関係を築いているかどうかが、交渉の成否に影響を与えることも少なくありません。

地主と協力して同時売却する方法

借地権者と地主が協力し、借地権と底地権(土地の所有権)をセットにして第三者に売却する方法です。
購入者にとっては完全な所有権を取得できるため、通常の土地付き建物と同様に扱うことができ、融資も受けやすくなります。

この方法は、借地権のみの売却や底地のみの売却と比べて高い価格で売れる傾向にあるのが大きなメリットです。
借地権と底地をそれぞれ単独で売る場合、権利関係の複雑さから市場価値が割り引かれがちですが、同時売却であればその影響を最小限に抑えられます。
ただし、地主との利害調整や売却代金の配分について合意を形成する必要があり、専門家の仲介が不可欠です。
詳しい進め方は、底地・借地権を同時売却するメリットやタイミングで解説しています。

等価交換で所有権を取得してから売却する方法

借地権者の持つ借地権と、地主の持つ底地権の一部を交換し、借地権者が土地の一部について完全な所有権を取得したうえで売却する方法です。
たとえば、100坪の借地のうち借地権割合に応じた面積を所有権として取得し、残りの土地は地主が完全所有権として回復するといった形になります。

この方法のメリットは、所有権付きの土地として売却できるため、買い手がつきやすく融資条件も有利になる点です。
ただし、土地の分割が必要になることや、面積・立地条件の調整が複雑になりやすいこと、地主の協力が不可欠であることなどがハードルとなります。

不動産買取業者への売却

借地権付き建物を専門の不動産買取業者に直接売却する方法です。
買取業者は借地権の取引に慣れているため、地主との交渉代行も含めてスムーズに手続きが進むことが多く、現金化までの期間が短いのが最大の特徴です。

仲介による売却と比べると売却価格はやや低くなる傾向がありますが、地主との関係が悪化している場合や、早急に現金化したい場合、遠方に住んでいて交渉に時間を割けない場合などには非常に有効な選択肢です。
相続で取得した借地権付き建物の処分や、老朽化が進んだ建物の売却にも適しています。
買取先の選び方や売却の流れについては、借地権買取の買取先・メリット・デメリットを解説した記事も参考にしてください。

借地権付き建物の売却手続きの流れ

借地権付き建物の売却手続きの流れ 借地権付き建物の売却手続きの流れ

借地権付き建物の売却は、通常の不動産売却に比べて工程が多く、関係者間の調整が重要になります。
ここでは、一般的な売却手続きの流れをステップごとに解説します。
全体像を把握しておくことで、スムーズな売却に向けた準備が可能になります。

ステップ1:借地契約の内容を確認する

まず最初に行うべきは、現在の借地契約書の内容を確認することです。
契約書には、借地権の種類(旧法か新法か)、契約期間、地代、譲渡・転貸に関する条項、更新条件などが記載されています。
特に「譲渡禁止特約」の有無や、譲渡時の手続きについての定めがあるかどうかは必ずチェックしましょう。

契約書が見当たらない場合は、地主に問い合わせるか、過去の経緯を確認する必要があります。
契約内容が不明確なまま売却を進めると、後々トラブルの原因になりかねませんので、この段階で弁護士や不動産の専門家に相談することをおすすめします。

ステップ2:不動産業者に相談・査定を依頼する

借地権付き建物の取引に精通した不動産業者に相談し、物件の査定を依頼します。
借地権の評価は、土地の路線価に借地権割合を乗じる方法が基本的な目安となりますが、実際の取引価格は立地条件、建物の状態、残存期間、地主との関係性など多くの要素に左右されます。

査定の際には、借地契約書、建物の登記事項証明書、固定資産税評価証明書(建物分)、地代の支払い状況がわかる書類などを準備しておくとスムーズです。
複数の業者に査定を依頼し、比較検討することも大切です。

ステップ3:地主に売却の意思を伝え、承諾を得る

賃借権の場合、売却には地主の承諾が必要です。
地主に対して売却の意思を伝え、譲渡承諾を求めます。
この際、譲渡承諾料(名義変更料)の金額や支払い条件についても交渉を行います。

地主との交渉は慎重に進める必要があり、不動産業者や弁護士に仲介を依頼することが一般的です。
地主が承諾しない場合は、裁判所に「借地非訟手続き」を申し立て、地主の承諾に代わる許可を得ることも可能です(借地借家法第19条)。
ただし、裁判所の手続きには時間と費用がかかるため、まずは話し合いによる解決を目指すのが得策です。

参考:裁判所|借地非訟事件

ステップ4:買主を見つけ、売買契約を締結する

地主の承諾が得られたら(または得られる見通しが立ったら)、買主を探して売買契約を締結します。
仲介による売却の場合は、不動産業者が購入希望者を探し、条件交渉を行います。
買取業者への売却の場合は、業者との間で直接条件を詰めて契約に進みます。

売買契約書には、借地権の譲渡に関する事項、地主の承諾条件、譲渡承諾料の負担、建物の状態に関する事項など、通常の売買契約にはない特有の条項が盛り込まれるため、契約内容の確認は慎重に行いましょう。

ステップ5:決済・引き渡し

売買代金の決済と建物の引き渡しを行います。
建物の所有権移転登記を行い、借地契約の名義も売主から買主に変更します。
地主への譲渡承諾料の支払いも、この段階で精算されることが一般的です。

引き渡し時には、借地契約書の原本や建物に関する書類一式を買主に交付します。
残存する地代や固定資産税(建物分)の日割り精算なども行い、すべての手続きが完了すれば売却は完了です。

借地権付き建物の売却にかかる費用と税金

借地権付き建物の売却にかかる費用と税金

借地権付き建物の売却では、通常の不動産売却と共通する費用に加え、借地権特有の費用も発生します。
事前にどのような費用・税金がかかるかを把握しておくことで、手取り額の見通しを立てやすくなります。

譲渡承諾料(名義変更料)

地主の承諾を得るために支払う費用で、借地権価格の10%程度が一般的な相場とされています。
ただし、法律で金額が定められているわけではなく、地主との交渉によって決まります。
地域の慣行や地主との関係性によって金額は変動しますので、事前に不動産業者や弁護士に相場を確認しておくことが重要です。

仲介手数料

不動産業者の仲介を利用して売却する場合は、宅地建物取引業法で定められた上限額の範囲内で仲介手数料が発生します。
売買代金が400万円を超える場合の上限は「売買代金×3%+6万円(税別)」です。
買取業者への直接売却の場合は仲介手数料がかからないケースが多いです。

譲渡所得税

借地権付き建物の売却で利益(譲渡所得)が出た場合、所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」で計算され、所有期間によって税率が異なります。
所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得として約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)、5年以下の場合は短期譲渡所得として約39.63%(所得税30.63%+住民税9%)の税率が適用されます。

なお、マイホーム(居住用財産)の売却であれば、3,000万円の特別控除が適用できる場合があります。
この特例は借地権付き建物にも適用されますので、該当する方は忘れずに申告しましょう。

参考:国税庁|マイホームを売ったときの特例

その他の費用

上記のほかにも、以下のような費用が発生する可能性があります。

  • 建物の解体費用:更地にして引き渡す場合に必要。
    木造住宅で坪あたり3万〜5万円程度が目安です。
  • 測量費用:土地の境界確定が必要な場合に発生します。
  • 弁護士費用:地主との交渉や借地非訟手続きを依頼する場合にかかります。
  • 登記費用:抵当権の抹消登記など、登記手続きに伴う費用です。
  • 印紙税:売買契約書に貼付する収入印紙代です。

売却を成功させるためのポイントと注意点

売却を成功させるためのポイントと注意点 売却を成功させるためのポイントと注意点

借地権付き建物の売却を成功させるためには、事前の準備と戦略が重要です。
ここでは、実務上特に気をつけたいポイントと、よくある失敗を防ぐための注意点を解説します。

地主との関係を良好に保つ

借地権の売却において、地主との関係性は非常に重要なファクターです。
地代の滞納がなく、日頃から信頼関係が構築されていれば、譲渡承諾もスムーズに得られやすくなります。
反対に、地代の未払いや契約違反がある状態では、地主が承諾を拒否するリスクが高まります。

売却を考え始めた段階で、地代の支払い状況を確認し、未払いがあれば速やかに精算しておきましょう。
また、地主に売却の意思を伝える際は、一方的に通知するのではなく、相談ベースで丁寧にアプローチすることが大切です。

借地権の取引に強い不動産業者を選ぶ

借地権付き建物の売却は専門性が高く、通常の不動産売買とは異なるノウハウが必要です。
借地権の評価、地主との交渉、借地非訟手続きへの対応など、経験と実績のある業者を選ぶことが売却成功の鍵となります。

業者を選ぶ際は、借地権の取引実績、地主交渉の経験、対応エリアの知見、査定額の根拠の明確さなどを総合的に判断しましょう。
複数の業者に相談して比較検討することで、自分に合ったパートナーを見つけやすくなります。

借地権価格の適正な把握

借地権の価格は、国税庁が公表する路線価図の借地権割合を基に概算することができます。
たとえば、路線価が1㎡あたり30万円で借地権割合が70%の場合、借地権の評価額は1㎡あたり21万円となります。
ただし、これはあくまで相続税評価の目安であり、実際の取引価格とは必ずしも一致しません。

実勢価格は、建物の状態や築年数、地代の額、残存期間、最寄り駅からの距離、周辺の取引事例など複数の要素を総合的に考慮して決まります。
相場感を持つためにも、複数の査定結果を参考にすることをおすすめします。
借地権の買取価格の考え方は、借地権買取の相場と査定ポイントでも詳しく紹介しています。

参考:国税庁|路線価図・評価倍率表

地主が承諾しない場合の対処法

地主が譲渡承諾を拒否した場合でも、売却を諦める必要はありません。
借地借家法第19条に基づき、裁判所に「借地権譲渡許可の申立て」(借地非訟手続き)を行うことで、地主の承諾に代わる許可を得ることができます。

裁判所は、譲渡によって地主に不利とならないと認められる場合に許可を出します。
この際、裁判所が定める承諾料(財産上の給付)の支払いが条件となることが一般的です。
なお、この手続きでは地主に対して「介入権」(自ら借地権を買い取る権利)が認められており、地主が介入権を行使した場合は、第三者への売却ではなく地主への売却となります。

まずは承諾料の調整や新しい借地人の信用情報の提示などにより、話し合いでの解決を目指します。
借地非訟手続きに進む場合は数か月から1年程度かかることもあるため、売却スケジュールには余裕を持ちましょう。

建物の状態と売却タイミング

借地権付き建物の場合、建物の老朽化が進んでいると売却が困難になるケースがあります。
特に、建替えが必要な状態にもかかわらず建替え承諾が得られない場合は、売却価格が大幅に下がる可能性があります。

建物の状態が良好なうちに売却を検討することが、より高い価格での売却につながります。
また、定期借地権付き建物の場合は残存期間が長いほど有利ですので、早めの判断が重要です。
相続によって取得した借地権の場合も、管理コストや地代の負担を考慮すると、早期に方針を決めることをおすすめします。

契約不適合責任への備え

2020年4月の民法改正により「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へと制度が変わりました。
売主は、引き渡した建物が契約の内容に適合しない場合に責任を負う可能性があります。

古い建物の場合は、雨漏り、シロアリ被害、設備の故障などが後から発見されるリスクがあります。
事前にインスペクション(建物状況調査)を実施するか、買主との間で契約不適合責任の免責特約を設けるなどの対策を講じておくことが望ましいでしょう。
買取業者への売却では契約不適合責任が免除されるケースが多く、この点もメリットの一つです。

相続した借地権付き建物を売却する場合のポイント

相続した借地権付き建物を売却する場合のポイント

借地権付き建物を相続によって取得し、その売却を検討するケースは非常に多くあります。
相続に伴う借地権の売却には、通常の売却とは異なる注意点がありますので、ここで整理しておきましょう。

相続による借地権の承継には地主の承諾は不要

相続による借地権の取得は「譲渡」ではなく「承継」にあたるため、地主の承諾は法律上不要です。
したがって、相続人は相続によって自動的に借地権を取得し、借地契約の当事者としての地位を引き継ぎます。
承諾料の支払いも不要です。

ただし、地主に対して相続が発生した旨を通知し、名義変更を行っておくことが実務上は重要です。
通知を怠ると、地代の請求先が不明確になったり、後の売却交渉時にトラブルが生じたりする可能性があります。

なお、相続した借地権付き建物を第三者に売却する場合は、通常の譲渡と同様に地主の承諾が必要です。
今後使用する予定がない場合は、地主に借地権の買取りを打診する方法もあります。

相続登記の義務化への対応

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続によって建物を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行わないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料が科される可能性があります。
借地権付き建物を売却する際にも、建物の相続登記が完了していることが前提となりますので、速やかに手続きを進めましょう。

参考:法務省|相続登記の申請義務化について

遺産分割と借地権の売却

相続人が複数いる場合、借地権付き建物をどのように分割するかは遺産分割協議 で決定します。
借地権は不動産と同様に財産的価値があるため、相続税の課税対象にもなります。
遺産分割の方法としては、主に以下の3つが考えられます。

  • 現物分割:特定の相続人が借地権付き建物をそのまま取得する方法
  • 換価分割:借地権付き建物を売却し、得られた代金を相続人間で分配する方法
  • 代償分割:特定の相続人が借地権付き建物を取得し、他の相続人に対して代償金を支払う方法

売却を前提とする場合は「換価分割」が最もスムーズです。
遺産分割協議書に「借地権付き建物を売却し、売却代金から諸費用を差し引いた残額を相続人間で○○の割合で分配する」といった内容を明記しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。

なお、遺産分割協議が整わないまま売却を進めることはできません。
相続人全員の合意が得られない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることも選択肢の一つです。
相続が発生したら、できるだけ早い段階で専門家に相談し、方針を決めておくことが重要です。

借地権付き建物の売却でよくあるトラブルと対処法

借地権付き建物の売却でよくあるトラブルと対処法 借地権付き建物の売却でよくあるトラブルと対処法

承諾料の金額で折り合いがつかない場合

地主が譲渡自体には同意しているものの、承諾料の金額について合意に至らないケースもよく見られます。
一般的な相場は借地権価格の10%程度とされていますが、地主がそれ以上の金額を要求することも珍しくありません。

この場合は、不動産鑑定士による借地権の評価書を取得し、客観的な資料をもとに交渉を行うのが効果的です。
また、不動産会社や弁護士に間に入ってもらうことで、感情的な対立を避け、合理的な金額での合意に至りやすくなります。

建物の老朽化による売却困難

借地権付き建物は築年数が古いものが多く、建物の老朽化が著しい場合、買い手がつきにくくなることがあります。
特に旧借地法時代から続く借地権の場合、建物が築50年以上というケースも珍しくありません。

この場合の選択肢としては、建物を解体して借地権のみを売却する方法や、地主と協力して底地と借地権を同時に売却する方法が考えられます。
建物の解体費用は売主負担となることが一般的ですが、更地にすることで買い手の選択肢が広がり、結果的に高値での売却につながることもあります。

ただし、建物を解体すると借地借家法上の「建物の存在」という借地権の対抗要件を失う可能性があるため、解体のタイミングについては慎重に判断する必要があります。
必ず専門家に相談してから進めましょう。

契約書が見つからない場合

古い借地権の場合、借地契約書が紛失していたり、そもそも書面での契約を交わしていなかったりするケースがあります。
借地契約は口頭でも成立するため、契約書がなくても借地権自体は有効です。

しかし、売却にあたっては契約条件(地代、契約期間、更新条件など)を明確にしておく必要があります。
契約書がない場合は、地主と改めて契約条件を確認し、書面化しておくことが望ましいでしょう。
地代の支払い記録や固定資産税の納付書、過去の更新時の覚書などが、借地権の存在を証明する資料として役立ちます。

株式会社ネクスプラスの強み|借地権付き建物の売却を確実に成功へ導くパートナー

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借地権付き建物の売却は、地主との交渉や権利関係の整理など、通常の不動産売却にはない複雑な手続きが伴います。
だからこそ、こうした特殊な物件を数多く扱ってきた買取業者を選ぶことが、スムーズな売却と適正な価格の実現につながります。
株式会社ネクスプラスは、借地権付き建物をはじめとする難易度の高い不動産の買取に特化し、多くのお客様の課題を解決してまいりました。
具体的な対応内容については、ネクスプラスの借地権買取事業をご覧ください。

訳あり物件の取り扱い実績が豊富

借地権付き建物は、権利関係が複雑なため「訳あり物件」として敬遠されがちです。
株式会社ネクスプラスでは、旧借地法に基づく古い借地権や、地主との関係が悪化しているケース、契約書が残っていない物件など、他社で断られてしまった案件も数多く取り扱ってまいりました。
豊富な経験と専門知識を活かし、一つひとつの物件の権利状況を丁寧に調査・整理したうえで、適正な買取価格をご提示いたします。
実際の対応例は、東京都江戸川区の借地権付き建物の売却事例でもご紹介しています。
どのような事情を抱えた物件でも、まずはお気軽にご相談ください。

スピード対応と現金化までの早さ

借地権付き建物の売却では、地代の支払い負担や建物の老朽化が進んでいるなど、一刻も早く手放したいという切実なご事情をお持ちの方が少なくありません。
株式会社ネクスプラスは自社買取のため、仲介のように買い手が見つかるまで待つ必要がありません。
ご相談から最短数日でのお見積もり提示、条件合意後はスピーディーに決済・現金化まで進めることが可能です。
急を要するご売却にも迅速にお応えいたします。

相続・管理トラブルの解決実績

借地権付き建物は、相続によって権利関係がさらに複雑になるケースが多く見られます。
相続人が複数いて意見がまとまらない場合や、相続登記が未了のまま放置されているケース、また地主への名義変更手続きが済んでいない状態でのご相談も珍しくありません。
株式会社ネクスプラスでは、こうした相続や管理に関するトラブルを抱えた借地権付き建物の買取実績を豊富に有しており、必要に応じて提携する弁護士・司法書士と連携しながら問題解決と売却を同時に進めてまいります。

入居中物件の買取にも柔軟に対応

借地権付き建物にご自身やご家族がまだお住まいの場合、あるいは賃貸として入居者がいらっしゃる場合でも、株式会社ネクスプラスなら柔軟に買取対応が可能です。
退去を待たずに現状のまま売却できるため、引っ越し時期の調整や入居者との交渉といったご負担を大幅に軽減できます。
リースバックのご相談にも対応しておりますので、売却後もそのまま住み続けたいというご要望がある方もぜひご検討ください。

柔軟な契約条件と秘密厳守の対応

借地権付き建物の売却においては、地主や近隣の方に知られたくない、親族間のデリケートな事情があるなど、プライバシーへの配慮が求められる場面が多くあります。
株式会社ネクスプラスでは、お客様の個別のご事情に合わせた柔軟な契約条件の設定が可能です。
また、査定から契約・決済に至るすべての過程で秘密厳守を徹底しておりますので、周囲に知られることなく安心してお取引を進めていただけます。

株式会社ネクスプラスは、「売却が難しい」と言われた借地権付き建物であっても、決してお断りすることなく真摯に向き合い続けてまいりました。
複雑な権利関係、相続トラブル、入居中の状態など、どのようなご事情を抱えた物件でも、お客様に寄り添いながら最善の解決策をご提案いたします。
借地権付き建物の売却でお悩みの方は、まずは株式会社ネクスプラスへお気軽にご相談ください。
私たちが、お客様の大切な一歩を全力でサポートいたします。

まとめ

借地権付き建物の売却は、通常の不動産売却と比べて多くの手続きや注意点がありますが、正しい知識と適切な準備があれば、十分に成功させることができます。

最も重要なポイントは、地主との良好な関係を維持しながら、早い段階で売却の意思を伝え、承諾を得ることです。
譲渡承諾料の相場を理解し、適切な交渉を行うことで、スムーズな取引が実現します。

また、売却方法には第三者への売却だけでなく、地主への売却、地主との共同売却、等価交換方式など複数の選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に最も適した方法を選ぶことが大切です。

借地権の種類(旧法借地権・新法借地権・定期借地権)によって権利内容や売却時の注意点が異なるため、まずはご自身の借地権がどの種類に該当するのかを確認しましょう。
契約書の内容を改めて精査し、不明点があれば専門家に相談することをお勧めします。

税金面では、譲渡所得税や住民税の計算方法を事前に把握し、利用可能な特別控除や特例を最大限活用することで、手取り額を最大化できます。
特に居住用財産の3,000万円特別控除は、要件を満たせば大きな節税効果が期待できます。

借地権付き建物の売却は専門性の高い取引です。
借地権の取り扱いに豊富な実績を持つ不動産会社や、不動産に精通した弁護士・税理士などの専門家チームと連携することで、より有利な条件での売却が可能になります。
まずは複数の専門家に相談し、最適な売却プランを立てることから始めてみてはいかがでしょうか。

借地権付き建物の売却に関するQ&A

Q1. 借地権付き建物の売却に地主の承諾は必ず必要ですか?

A. はい、第三者への売却(譲渡)には原則として地主の承諾が必要です。
借地借家法では、借地権の譲渡や転貸には賃貸人(地主)の承諾を得なければならないと定められています。
ただし、地主が正当な理由なく承諾を拒否する場合は、裁判所に「借地権譲渡許可」の申立てを行うことで、地主の承諾に代わる許可を得ることができます。
なお、地主への売却(借地権の返還・買取り)の場合は、当事者間の合意のみで進められます。

Q2. 借地権付き建物の売却にかかる期間はどのくらいですか?

A. 一般的には3か月〜1年程度かかることが多いです。
通常の不動産売却と比較して、地主との承諾交渉や承諾料の調整などに時間を要するため、期間が長くなる傾向があります。
地主との関係が良好で承諾がスムーズに得られる場合は3〜6か月程度で完了しますが、交渉が難航したり借地非訟手続きが必要になったりすると、1年以上かかることもあります。
早期売却を希望する場合は、不動産会社による直接買取りも検討してみてください。

Q3. 承諾料の相場はいくらくらいですか?

A. 借地権価格の10%程度が一般的な相場とされています。
ただし、法律で金額が定められているわけではなく、地主との交渉によって決まります。
地域の慣行や借地権の残存期間、地主と借地人の関係性などによっても金額は変動します。
例えば、借地権価格が2,000万円の場合、承諾料は200万円前後が目安となります。
交渉が難航する場合は、不動産会社や弁護士に仲介を依頼することをおすすめします。

Q4. 借地権付き建物は住宅ローンを組んで購入できますか?

A. 住宅ローンの利用は可能ですが、通常の土地付き建物と比較すると審査が厳しくなる傾向があります。
借地権は土地の所有権がないため、担保価値が低く評価されることが理由です。
特に、旧借地法に基づく借地権や残存期間が短い借地権の場合は、金融機関によっては融資を断られることもあります。
一方、定期借地権付きマンションなどは比較的ローンが組みやすい傾向にあります。
買い手がローンを利用する場合は、事前に金融機関への相談を促しましょう。

Q5. 地主に借地権を買い取ってもらうことはできますか?

A. 地主が買取りに応じてくれれば可能です。
地主にとっても、借地権を買い取ることで土地の完全な所有権を回復でき、自由に活用できるようになるというメリットがあります。
ただし、地主に買取りの義務はないため、あくまで任意の交渉となります。
買取価格は、更地価格に借地権割合を乗じた金額を基準に交渉するのが一般的です。
地主への売却の場合、承諾料が不要になるため、手取り額が多くなる可能性があります。

Q6. 借地権の残存期間が短いと売却価格に影響しますか?

A. はい、残存期間が短い借地権は売却価格が低くなる傾向があります。
買主にとって、契約更新の不確実性や更新料の負担が懸念材料となるためです。
特に定期借地権は期間満了時に土地を返還する必要があり、残存期間が10年未満になると資産価値が大きく下がる可能性があります。
売却前に地主と契約期間の延長や更新について協議しておくことで、買主の不安を軽減し、売却条件を改善できる場合があります。

Q7. 借地権付き建物を売却した場合の税金はどうなりますか?

A. 借地権付き建物の売却で利益(譲渡所得)が出た場合、所得税・住民税が課税されます。
税率は所有期間によって異なり、5年超の長期譲渡所得であれば約20.315%、5年以下の短期譲渡所得であれば約39.63%となります。
なお、居住用財産の場合は3,000万円の特別控除や買い替え特例などの適用を受けられる場合があります。
また、承諾料は譲渡費用として控除できるため、確定申告の際には忘れずに計上しましょう。
売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が課税対象となります。

Q8. 借地上の建物を建て替えてから売却することはできますか?

A. 借地上の建物を建て替えることは可能ですが、地主の承諾が必要です。
建て替えの承諾を得る際にも、一般的に更地価格の3〜5%程度の承諾料(建替承諾料)が発生します。
建て替えによって建物の価値が上がり、売却価格の向上が期待できますが、建築費用と承諾料の合計額と、売却価格の上昇分を比較して採算が合うかどうかを慎重に検討する必要があります。
また、建て替えによって借地契約の条件(木造から鉄筋コンクリート造への変更など)が変わる場合は、契約条件の変更についても地主と協議が必要です。

Q9. 等価交換方式とは何ですか?どのような場合に活用できますか?

A. 等価交換方式とは、借地権者と地主がそれぞれの権利(借地権と底地権)を出し合い、土地の完全な所有権として再編成する方法です。
例えば、借地権割合が60%の土地の場合、借地権者は土地全体の60%に相当する面積の完全所有権を取得し、地主は残りの40%の完全所有権を取得します。
これにより、借地権という制約のある権利が完全所有権に変わるため、市場での流通性が大幅に向上し、売却価格も高くなる傾向があります。
特に広い敷地の場合や、地主側にも土地の有効活用ニーズがある場合に有効な手法です。
ただし、土地の分筆や測量費用が発生するほか、双方の合意が前提となるため、専門家を交えた丁寧な交渉が求められます。
また、等価交換に伴う税務上の取り扱いについても、事前に税理士に相談しておくことが重要です。

Q10. 借地権付き建物を売却する際、住宅ローンの残債がある場合はどうすればよいですか?

A. 住宅ローンの残債がある場合でも、借地権付き建物の売却は可能です。
ただし、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消することが原則となります。
売却価格がローン残債を上回る場合(アンダーローン)は、売却代金から残債を返済すれば問題ありません。
一方、売却価格がローン残債を下回る場合(オーバーローン)は、不足分を自己資金で補填する必要があります。
自己資金での補填が難しい場合は、金融機関に相談して任意売却を検討することも一つの選択肢です。
なお、借地権付き建物に設定された抵当権の抹消には、金融機関だけでなく地主の協力が必要となる場合もありますので、早めに関係者への相談を始めることをお勧めします。