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再建築不可物件でも売買・売却は可能!4つのポイントを解説

自分が所有している土地を売却しようと思ったら、その土地が再建築付加物件であることが判明するということがあります。
再建築不可物件という名称は聞きなれないかもしれませんが、売却するためにはいくつかのポイントを押さえておかなければなりません。
では再建築不可物件を売却する際の4つのポイントについて解説します。

再建築不可物件は売買・売却できる

再建築不可物件とは、その名称から分かる通り「再建築」、つまり建物を取り壊しての建て替えが行えない土地を指します。
再建築不可物件は建物の建て替えが行えないため、買い手からするとデメリットの大きな物件であることは否定できません。
そのため再建築不可物件を所有している方は、きっと買い手が付かないだろうと考えてしまいがちです。
しかし実際には再建築不可物件であっても売買・売却はできます。
そもそも再建築不可物件はそれほど珍しい物件ではなく、全国で90万戸以上あるとされています。
東京23区内だけでも25万戸近くの再建築不可物件があり、これは23区内の物件の約9%にあたります。
これほどたくさんの再建築不可物件すべてが売買・売却できないとなれば、土地所有者が被る不利益は計り知れません。
そのような事態にならないために、土地の所有者は再建築不可物件を売買・売却するためのポイントをしっかり理解しておく必要があるでしょう。
とくに相続の発生によって再建築不可物件を所有することになった場合には、利用価値の低い土地をすぐに売ってしまいたいと思うかもしれません。
売却する際の手続きのポイント、誰に売却するか、どのくらいの価格で売却できるのかなど、抑えるべきポイントはたくさんあるので、ぜひ専門家の助けなども得ながら効果的な売却を検討したいところです。

そもそも再建築不可物件とはなにか

ではそもそも「再建築不可物件」とはどのような物件のことを指すのでしょうか。
自分の所有している土地が再建築不可物件かどうかを判断するためにも、ぜひ知っておきたいところです。
再建築不可物件の概要や種類について見ていきましょう。

再建築不可物件とは

再建築不可物件とは、現在ある建物を取り壊して新しい建物を建設することができない土地のことを指します。
なぜ建物の建て替えができないのか、その理由はいくつかありますが、ほとんどの場合は「接道義務違反」がその理由です。
接道義務とは、1950年の建築基準法によって定められた規則で、都市計画区域および準都市計画区域内にある土地は建築基準法における道路に2メートル以上接していなければならないというものです。
ここで注意が必要なのは、建築基準法でいう「道路」とは何か、「2メートル」とはどのような意味かということです。
建築基準法第42条に定められている「道路」には2つの種類が存在します。
まず道幅が4メートル以上ある1項道路、そして道幅が4メートル未満の2項道路です。
再建築不可物件で問題となるのはとくに2項道路の方です。
接道義務では幅員4メートル以上の道路に土地の間口が2メートル以上接していなければならないので、幅員が4メートル未満の2項道路ではこの義務を果たせなくなってしまいます。
接道義務は消防車や救急車といった緊急車両が通るために必要な幅員を確保するためのものなので、接道義務違反の状態にある再建築不可物件では新たな建物を建てようとしても建築許可が下りなくなってしまうのです。
さらに厄介なのは「2メートル」というポイントです。
土地の間口が道路に2メートル以上接しているという条件は、現況と公図の両方で満たされていなければなりません。
したがって現状は道路に2メートル接しているのに、公図を見ると接していないということもあり得るのです。
現状問題なく使えているのに、建て替えや売却を検討しようとしたら実は再建築不可物件だったということもあります。
ただし1950年以前に建てられた建物に関しては、すぐに取り壊さなければならないといったことはありません。

接続義務違反に加えて、市街化調整区域にある土地や17万ボルト以上の高圧線が上に通っている土地も再建築付加物件となります。

再建築付加物件の種類

ある土地が再建築付加物件となってしまう主な理由は接道義務違反ですが、その中にもいくつかの種類があります。

自分が所有している土地がどれに該当するのかをしっかり見極める必要があるでしょう。
まずは幅員4メートル未満の道路に接している場合です。
一般的に「みなし道路」、「2項道路」と呼ばれる幅員4メートル未満の道路に接している場合、その土地に新しく住宅を建てたり、今ある住宅を取り壊して新しい建物を建てたりすることはできません。

続いてまったく道路に接していない土地も再建築付加物件であると考えられます。
たとえば以前は母屋と離れがあったものの、分筆した際に奥の土地のための専用道路を設けなかったといったケースがあります。
手前の土地に建物が建ってしまっているようなケースでは、奥の土地に新たな住宅を建てるのは難しいかもしれません。
さらに再建築付加物件として考えられるのは、いわゆる「旗竿地」と呼ばれるケースです。

奥にある土地から道路へ敷地を延長して接続部分を確保したものですが、接続部分が2メートル未満である場合には再建築付加物件となります。
建築基準法が制定される前には、人が通れるほどの幅でしか分筆しなかったケースも多く、公図を見て初めて再建築付加物件であることに所有者が気づくこともあります。
加えて道路に接していると思ったのに公図上は水路や他人の土地だった場合も、再建築付加物件となります。

公図と実際の現況は異なることが少なくありません。
現況はある土地と道路が接しているように見えるのに、公図を見ると該当する土地と道路との間に水路や隣家の土地が存在しているということがあります。
その場合も公図上は敷地が建築基準法で定める道路への接続義務を果たしていないので再建築付加物件となるでしょう。

再建築付加物件のデメリット

再建築付加物件は通常の土地と比較してデメリットが多くあります。
再建築付加物件の売買・売却を検討しているのであれば、そのデメリットについてもしっかり理解しておく必要があるでしょう。
まず再建築付加物件のデメリットとして挙げられるのは、「建て替えができない」ということでしょう。

もし敷地内に建物が建っていたとしても、建築許可が下りないので、その建物を取り壊して新しい住宅を建てることはできません。
そのため買い手は現状残っている建物をリフォーム、もしくはリノベーションして住むことになるでしょう。

こうした理由から再建築付加物件は低価格で販売されていることが多いのですが、購入後のリフォーム代、リノベーション代を考慮すると別の土地を購入した方がよいと判断する人が多いのも事実です。
さらに再建築付加物件にはリスクもあります。

もしリフォームやリノベーションによって住み心地のよい住宅を作り上げたあと、地震や台風、火災によって住宅が倒壊してしまったとしましょう。
すると住宅を失ったうえ、その土地には新しい住宅を建てられないという状況になります。

活用することのできない土地だけが残されてしまうので、再建築付加物件はリスクが高いと認識されてしまうのです。
加えて再建築付加物件ではローンが組みにくいというデメリットもあります。
再建築付加物件はリフォームやリノベーションによってしか活用することができないため、活用方法が非常に限定されます。
そのため土地の価値が評価されず、ローンを組む際の担保としての価値も下がってしまいます。
ほとんどの場合、再建築付加物件を担保にしたローンは金融機関に断られてしまうのです。

結果的に買い手は物件を現金で購入するか、高い金利で融資をしてくれる貸金業者を利用することになります。
さらに再建築不可物件では、建物が老朽化しているケースがほとんどです。
建築基準法がなかった1950年以前から建てられている建物の場合、建物自体も設備もかなり古くなっていることが予想されます。
するとリフォームやリノベーションにも多額の費用がかかり、買い手の負担になってしまうかもしれません。

再建築不可物件の売買・売却の流れ、ポイント

このようにデメリットもある再建築不可物件ですが、売買・売却することは可能です。
ではどのような流れで再建築不可物件を売却できるのか、さらに売りやすくするポイントはあるのかについて見ていきましょう。

ステップ1:再建築可能にできないか検討する

再建築不可物件は建物の新築や建て替えが行えないことが大きなネックとなります。
したがって、再建築が可能な物件として売却できれば、デメリットをすべて解決した上での高額売却が可能になるでしょう。
ではどうすれば再建築不可物件を再建築可能な物件に変えることができるのでしょうか。

まず考えられるのは「セットバック」です。
セットバックが利用できるのは、該当する土地が建築基準法上の2項道路に2メートル以上接している場合です。
建築基準法では、「道路中心線からの水平距離2メートルの線をその道路の境界線とみなす」と規定されています。
したがって測量士や土地家屋調査士に測量を依頼し、市や隣接する土地所有者立会いのもと、道路の中心線とその中心線から2メートル後退した境界線を決めることができれば、それ以外の土地は再建築可能な土地として売却できるのです。
ただし道路を挟んで反対側が川や崖などで向こう側にセットバックできない場合には、測量によって定められた道路の反対側の境界線から4メートルの後退が必要となるので注意が必要です。
セットバックには測量が必要で、セットバックする分敷地面積が減ってしまうという注意点がありますが、その分土地を高く売却できるためメリットの大きな方法といえます。

では敷地が建築基準法における2項道路にまったく接していない、もしくは間口が2メートル未満である場合にはどうすればよいのでしょうか。
そのようなケースでは、隣接する土地所有者から土地を購入する、もしくは賃借するという方法が考えられます。

再建築不可物件が建築基準法の道路に2メートル以上接するという条件を満たすために、該当する土地をすべて所有していなければならないというわけではありません。
隣接する土地所有者と交渉して、接道義務を果たす分だけの土地を売ってもらう、もしくは貸してもらうことができれば、再建築不可物件ではなくなります。
とくに旗竿地の場合には、ほんのわずかな面積の土地の購入で再建築不可物件が解消されることもあるので、売却の際にはこの方法を検討できるでしょう。

再建築不可物件が公図上水路に接しているようなケースでは、水路の占有許可を取得することが必要となります。
水路を管理しているのは国や都道府県、市町村、土地改良区などさまざまなので、公図や登記簿謄本などを見て確認しましょう。

水路の占有許可が下りて、現状敷地と道路が接続できていれば再建築不可物件の問題を解消できます。
ただし水路占有には占有料が発生することがあるので、占有料がいくらになるのかを把握しておくことは重要です。
加えて占有許可が土地の買い手に承継されるかどうかも確認しておきましょう。

続いて再建築不可物件を再建築可能な土地にする方法として、位置指定道路を作ることができます。
建築基準法上の道路ではなく、習慣的に私有地を道として使用してきた場合には、その道を位置指定道路とすることで再建築不可物件の解消が可能です。
位置指定道路は特定行政庁に申請して認可されることで作ることができます。

位置指定道路は公道ではなく私道であるため、所有者が存在します。
したがってその道路を位置指定道路にするためには所有者の協力が必要な場合もあるので注意が必要です。
もし位置指定道路の所有者が複数人いる場合には、道路のメンテナンスなどを行うときに全員の同意が必要になるといった状況が生じ得ることも覚えておきましょう。

加えて少し手間がかかりますが、「43条但し書き道路」の申請を行うことで再建築不可物件を解消することも考えられます。
43条但し書き道路とは、建築基準法第43条にある「建築物の周囲に広い空地があり、その他これと同様の状況にある場合で安全上支障がないときは」建築可能とするという規定です。

そもそも接道義務は緊急車両の通行などを想定して定められているものなので、道路に接していなくても、安全上支障がなければ再建築可能な土地となることがあります。
ただしこちらの申請も特定行政庁の許可が必要なので、必ず申請が通るとは限らないことに注意すべきです。

ステップ2:隣接する土地所有者に売却を打診する

もしさまざまな選択肢を検討した結果、再建築可能な土地にすることができない場合には、再建築不可物件のまま売却することになります。
しかし再建築不可物件は利用するのが難しくリスクも高いので、簡単に売却することはできません。

そこで、隣接する土地所有者に売却を持ちかけてみることができます。
もし隣接する土地所有者が建物の増築を検討していたり、その再建築不可物件を買い取ることによって全体の土地の価値が上がることが分かっていたりする場合には、快く買取ってくれるかもしれません。

もし隣接する土地所有者も土地を売却することを検討しているのであれば、二筆の土地をまとめて売却することで最大の売却益を得ることも可能です。
隣接する土地所有者が再建築不可物件を買い取ってくれなくても、敷地の一部を売ってくれたり、貸してくれたりすれば、再建築不可物件の問題が解消することもあります。
最初からあきらめるのではなく、再建築不可物件に隣接する土地所有者に声をかけてみることは重要です。

ステップ3:不動産業者に買い取りを依頼する

再建築不可物件を再建築可能な土地にすることができず、隣接する土地所有者も興味を示さない場合には、不動産業者に買い取りを依頼するというステップに移ります。
不動産業者や買取業者は再建築不可物件の価値を査定して買取金額を決定します。
再建築不可物件の利用方法は限られているため、思ったほどの値段にならないこともあることを覚えておきましょう。

ただし再建築不可物件についての知識があったり、不動産業者ならではの活用方法を知っていたりする場合には、より高い価格になる可能性もあります。

リフォームやリノベーションで価値を高めることも可能

もし少しでも再建築不可物件の価値を高めたいのであれば、土地の売却の検討に合わせてリフォームやリノベーションを行ってしまうという方法もあります。
構造体を壊す場合には建て替えにあたり建築許可が下りませんが、リフォームやリノベーションは構造体を残したまま内装や設備を新しくすることができます。

リフォームやリノベーションを行うことで、建物の価値は高まります。
さらに買い手は土地を購入したあと自分でリフォームやリノベーションを行う必要はなくなるでしょう。
このように不動産全体の価値を高めることができれば、買い手が付きやすくなったり売却金額を高めたりすることができるかもしれません。

再建築不可物件を売買・売却する際の注意点、リスク

再建築不可物件を売買・売却する際には、いくつかの注意点に留意しなければなりません。
売り手や買い手にとってリスクとなる点もあるので、必ず再建築不可物件を売買・売却するときには意識しておきましょう。

再建築不可物件の価格は周辺の5割から7割

再建築不可物件を売却する際に注意すべき最初の点は、売却価格です。
前述のように、再建築不可物件は建て替えができない、リフォームやリノベーションの代金がかかるといった理由で、利用方法は限定されます。

そのため再建築不可物件ではない周辺の土地と比較して5割から7割程度の査定になることがほとんどです。
周辺の土地を同程度の売却額になると思って不動産会社に相談に行くとがっかりしてしまうので、半分程度になると考えて査定を依頼する方がよいでしょう。

再建築不可物件になっている理由ははっきりと理解しておく

再建築不可物件を売買・売却する際には、必ず「なぜ再建築不可物件」なのかを把握しておくことが重要です。
しっかりと理由を把握しておけば、再建築不可物件を再建築可能な土地にすることができるかもしれません。
さらに買い手に対して分かりやすく再建築不可物件の理由を説明することもできるでしょう。

不動産会社や買取業者はできるだけ安く再建築不可物件を買い取ろうとするので、再建築不可物件になっている理由を把握しておかないとより安く売らなければならないことになりかねません。
買い手とも不動産会社・買取業者とも対等に交渉できるようにするため、再建築不可物件となっている理由を明確に理解しておくべきです。

建物の解体は控える

土地を売却するときに、建物を取り壊して更地にしてから売却した方が高く売れることがあります。
再建築不可物件でも同様にして売却金額を上げたいところですが、建物の解体はしない方が賢明です。
再建築不可物件では今存在している建物を取り壊す必要はなく、新たに住宅を建てることができないだけだからです。
もし現状存在している建物を解体してしまうと、リフォームやリノベーションによってその土地に住むという利用方法がなくなってしまい、評価額が大幅に下がってしまう恐れがあります。

再建築不可物件を売却したいのであれば、今ある建物の価値を下げないようしっかりと維持管理しながら買い手を探すのがベストです。
さらに今建物がある再建築不可物件の売却では、建物の査定も必ず行われます。
不動産業者や買取業者は、再建築不可物件の査定に加えて、建物に価値があるかどうかを見るからです。

もし建物が比較的まだ新しく、リフォームやリノベーションによって利用できる状態であれば、リフォーム代などを考慮しながらできる限り評価額を上げてもらえるかもしれません。

建物がきちんと維持管理されていれば、他の同じような再建築不可物件より評価額が上がることは十分考えられます。
そのためにも、安易に再建築不可物件にある建物を取り壊すのは避けるべきなのです。

隣接する土地所有者との交渉は弁護士に任せるとスムーズ

再建築不可物件を再建築可能な土地にしようと思うなら、隣接する土地所有者との交渉が必要となります。

隣接する土地所有者に土地を売ってもらったり貸してもらったりする、再建築不可物件を買い取ってもらう、隣接する土地所有者と協力して双方の土地を合わせて売却するなどの選択肢がありますが、いずれも交渉しなければなりません。
再建築不可物件の所有者と隣接する土地所有者との協議によって合意にいたれば何の問題もありませんが、この交渉を不動産会社が行うと、非弁行為として不動産会社が罰せられる恐れがあります。

さらに個人間の口約束では合意に達したという証拠が何も残らないので、のちのちトラブルになる危険もあるでしょう。
トラブルを避けてスムーズに再建築不可物件の売却を進めるためにも、交渉は弁護士に依頼することを検討できます。

再建築不可物件は相場の5割から7割の価格になってしまうので、弁護士費用も節約したいところですが、売却を成功させたいのであれば法律の専門家の力を借りるとよいでしょう。

境界非明示には要注意

道路がセットバックされていないような古い住宅街では、隣接する土地との境界が明示されていないことは珍しくありません。
しかもこうした住宅街では、公図や地積測量図、土地登記簿謄本などと現状の土地の面積が異なるケースや、近隣住民から境界と認識されている塀や水路が地積測量図と異なるケースも存在します。
そのような場合には再建築不可物件だと思っていたものが実は違ったり、再建築可能な土地だと思っていたものが再建築不可物件だったりする場合もあるのです。
こうしたケースでは近隣住民と大きなトラブルになってしまう恐れがあるので、個人間だけで話し合うのではなく、測量士や土地家屋調査士、弁護士などに頼ることを検討すべきです。

再建築不可物件を売買・売却する買取業者の選び方

再建築不可物件を売買・売却する場合、買取業者に依頼するのは賢い方法です。
所有している再建築不可物件をできるだけ高く売却するためにも、買取業者は慎重に選ばなければなりません。
では買取業者を選ぶ際に考えるべきポイントをいくつかご紹介しましょう。

専門の買取業者である

まず重要なポイントとして挙げられるのは、再建築不可物件の買い取りを専門に行っている業者かどうかという点です。
不動産会社も再建築不可物件の買い取りを行っているところがありますが、専門業者でなければ再建築不可物件の取り扱いは難しいです。
再建築不可物件の売買・売却には建築基準法の専門的な知識が必要になるため、一般の不動産会社では手に負えなくなってしまうかもしれません。

もし再建築不可物件の活用方法に通じていない不動産会社に買い取りを依頼してしまえば、非常に低い査定額が提示される恐れもあります。
その点で専門の買取業者は土地の活用方法や専門的な知識、さらにこれまで再建築不可物件を取り扱ってきたノウハウがあるので、できるだけ高く再建築不可物件を買い取ってくれるでしょう。

場合によっては、再建築不可物件の所有者が気づかなかったようなポイントや活用方法について解説してくれるかもしれません。

瑕疵担保責任を負担してくれる

再建築不可物件を売却するうえで重要な別のポイントが「瑕疵担保責任」です。
瑕疵担保責任とは、物件に欠陥や不具合が見つかった場合に発生する責任のことです。
もし売り主が物件の不具合や欠陥に気づいていたのに、それを黙って売却していたなら、当然売り主が責任を負うべきです。

しかし再建築不可物件に建っている古い住宅の場合、買い主も売り主も建物の欠陥や不具合に気づかず売買契約を結んでしまうことがあり得ます。
たとえば雨漏り、柱の腐食、排水の不具合、シロアリの被害などは、外観からは分からないことも多く、リフォームが始まってから分かることも少なくありません。

その場合、瑕疵担保責任を負担してくれる買取業者に依頼しておけば売り主は修理費用を負担せずにすみます。

専門家とのコネクションがある

再建築不可物件の売買・売却は専門家からの助けがあるとよりスムーズに進みます。
そのため測量士、土地家屋調査士、司法書士、不動産鑑定士、弁護士といった専門家とのつながりのある買取業者を選ぶことをお勧めします。
買取業者のホームページを見ると、どんな専門家と提携しているかが記載されていることも多いので、それを参考にするとよいでしょう。

境界未確定で買い取ってくれる

前述のように、境界標がなくどこが土地の境界なのかが正確には分からない再建築不可物件では注意が必要です。
もししっかり隣接する土地所有者と確定測量図を作り、合意文書を作るとなると、交渉が難航したり人間関係が悪化したりしてしまう恐れもあります。

最悪の場合、裁判沙汰になってしまうことも考えられます。
そんなトラブルにならないように、境界が未確定でも再建築不可物件を買い取ってくれる買取業者を探すことができます。

買取業者の中には、こうした問題を解決して第三者に売却するノウハウを有しているところもあります。
境界を確定させるための余計な手間をかけずに再建築不可物件を売れるのは大きなメリットです。

素早く買取ってくれる

スピード感のある取引を行ってくれるかどうかも、買取業者を選ぶポイントの一つです。
再建築不可物件は査定に時間がかかるのは事実ですが、買取まで数週間もかかるのであればやや不安を覚えるでしょう。
不動産の価値は変動していくので、あまり時間をかけると売り時を逃してしまうかもしれません。
できるだけスムーズに再建築不可物件を買い取ってくれる買取業者を探すようにしましょう。
現在では口コミサイトなどで買取業者の評価も見ることができるので参考になります。
この点でも不動産鑑定士や土地家屋調査士などの専門家とつながりがある買取業者の方が取引しやすいということも覚えておきましょう。

【まとめ】

再建築不可物件でもあきらめずにできるだけ高く売れる方法を探そう

再建築不可物件だから売れない、売れても安いだろうというのは売り手の思い込みです。
実際には再建築不可物件でも売買・売却は可能で、再建築可能な土地に変えることができれば売却金額を大幅にアップさせることもできます。
重要なのは再建築不可物件を売却する際のポイントをしっかり押さえることと、優秀な買取業者を選ぶことです。
ぜひ売却のポイントを一つずつ検討し、できるだけ高く再建築不可物件を売ることができるようにしましょう。

監修者:宅地建物取引士 平山 賀千
(株式会社ネクスプラス代表取締役)