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借地権とは?種類・売却・相続まで専門家がわかりやすく解説

目次

借地権とは何か

借地権とは、他人の土地を借りて、その土地の上に自分の建物を所有するための権利です。
マイホームや店舗の建物そのものは自分の所有物でも、土地は地主から借りているという状態が「借地権付き」物件の実態です。

借地権は大きく「地上権」と「賃借権」の2種類に分かれます。

地上権

物権(物に対する直接的な権利)であり、登記による対抗力が強いのが特徴です。
地主の承諾がなくても第三者への譲渡・転貸が可能で、地主が変わっても原則そのまま継続できます。
ただし現実には、地上権として設定される借地契約は少数です。

賃借権

契約(賃貸借)による債権的権利です。
地主の承諾なしに無断で譲渡・転貸はできません。
建物に登記をすることが第三者への対抗要件となるため、建物登記の有無が実務上とても重要になります。
一般的な借地契約のほとんどは賃借権です。

借地権の概要まとめ
項目概要
定義他人所有の土地を借りて建物を所有する権利(地上権または賃借権)
主な法律旧借地法(大正10年制定)、新借地借家法(平成3年)
メリット土地購入費が不要、相続税評価が低めになるなど
デメリット地代・承諾料が発生、担保評価が低く融資が受けにくいことも
主な注意点地主との関係、契約更新、増改築・売却時の承諾など

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借地権割合とは?計算方法と相場

借地権の価値を考えるうえで欠かせない概念が「借地権割合」です。
これは、土地の価値のうち借地権がどの程度の割合を占めるかを示す数値で、国税庁が毎年公表する「路線価図」に記号で表示されています。

借地権割合の早見表

借地権割合 記号別一覧(国税庁)
記号借地権割合主な該当エリアのイメージ(東京)
A90%銀座・丸の内など超一等地
B80%渋谷・新宿・港区の主要幹線沿い
C70%山手線沿線・都心部住宅地
D60%城東・城北・杉並など一般的な住宅地
E50%近郊住宅地・準工業地域など
F40%郊外の住宅地・商業地
G30%農村地帯・地方の郊外

借地権評価額の計算式

相続税申告や売却価格の目安を知りたいときは、以下の計算式が基本になります。

借地権評価額 = 路線価(円/㎡)× 土地面積(㎡)× 借地権割合

【計算例】路線価50万円/㎡・面積100㎡・借地権割合60%(D)の場合
→ 50万円 × 100㎡ × 60% = 3,000万円

ただしこれはあくまで相続税評価の計算式であり、実際の売却価格とは異なります

関連ページ:実際の買取価格や相場についてはこちら

また「路線価の調べ方がわからない」という方は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」から郵便番号や住所で検索できます。

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借地権・底地権・所有権の三者関係

借地権を正しく理解するために、「底地権」と「所有権」との関係を整理しておきましょう。

土地の完全な所有権 = 底地権 + 借地権

  • 底地権……地主が持つ「土地そのものの所有権」。地代を受け取る権利があるが、土地を自由に使えない
  • 借地権……借地人が持つ「土地を使用する権利」。地代を払う義務があるが、建物を所有・居住できる

借地権と底地権が同一人物に戻ったとき(合体)に、はじめて「完全な所有権」になります。

関連記事:底地・借地権を同時売却するメリットやタイミングを徹底解説

底地権・借地権・所有権の比較
権利の種類持ち主できることできないこと
底地権地主地代の受け取り、土地の売却土地を自由に利用・建物を建てる
借地権借地人建物の所有・居住・賃貸地主の承諾なしの譲渡・増改築
完全所有権同一人物自由な利用・売却・建替え(制限なし)

旧借地法で定める借地権の特徴(旧法契約)

かつては大正10年制定の「借地法(旧借地法)」が借地に関する主要な法律でした。
1992年(平成4年)の新借地借家法施行により旧借地法は廃止されましたが、経過措置によって旧法契約がそのまま継続されているケースが現在も多く残っています

存続期間と更新ルール

旧借地法の存続期間(第2条)
建物の種類存続期間
堅固建物(鉄筋コンクリート造・鉄骨造など)60年
非堅固建物(木造など)30年
契約更新借地人が土地を引き続き使用していれば、地主が「正当事由」なしに更新拒絶することは極めて困難

旧法の大きな特徴:借地人保護が非常に手厚い

旧借地法はとにかく借地人に手厚く、その典型が「建物買取請求権」です。
契約満了で地主が更新を拒んだ場合でも、借地人は建物を時価で買い取るよう地主に請求できます(旧借地法4条2項)。

よくある勘違い

「旧借地法はすでに廃止されたから全て新法に切り替わっている」と思われがちですが、1992年8月以前に締結された契約は旧法のまま継続されます。
地主側にとっても、借地人が旧法適用だと地代の値上げや契約終了が難しいため、どちらが旧法・新法かをきちんと把握することが双方にとって重要です。

旧法契約が残る主な理由

  • 新法施行前(1992年8月以前)の契約は経過措置によりそのまま継続
  • 地主・借地人の双方が新法への切り替えに合意しないかぎり、旧法のまま継続される

新借地借家法のポイント

新借地借家法は、従来の借地法と借家法を一本化し、1992年(平成4年8月1日)に施行されました。
借地人の保護を基本としつつ、定期借地権の導入によって契約形態の選択肢が広がりました。

借地権にはどんな種類がある?

借地権は大きく分けて、旧借地法が適用される「旧法借地権」と、借地借家法に基づく「普通借地権」「定期借地権(一般定期借地権・事業用定期借地権・建物譲渡特約付借地権)」に分類されます。
契約時期や契約内容によって適用される種類が異なり、更新の有無や契約終了時の建物の扱いも種類ごとに大きく違います。
大まかな傾向として、旧法借地権と普通借地権は借地人の権利保護が手厚く更新が前提となっているのに対し、定期借地権は契約当初から期間満了時に権利が終了することを前提としている点が最大の分かれ目です。
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。

旧法借地権

旧法借地権は、借地借家法が施行される前の借地法(大正10年施行)に基づいて成立した借地権です。
平成4年7月31日以前に締結された借地契約には、原則としてこの旧法が適用され続けます。
旧法借地権の大きな特徴は、契約更新に関する借地人保護の強さにあります。
存続期間を定めなかった場合、建物の構造によって木造など非堅固建物は30年、鉄筋コンクリート造などの堅固建物は60年が法定の存続期間とされ、期間満了時も借地人が更新を希望する限り、地主に「正当事由」がなければ更新を拒絶できません。
そのため実質的に借地人の権利が半永久的に継続しやすく、地主側からすると土地を自由に活用しにくい権利形態といえます。
更新後の存続期間についても、堅固建物は30年、非堅固建物は20年が法定期間とされており、当事者間でこれより長い期間を定めた場合はその定めが優先されます。
現在でも古くからの借地関係にはこの旧法借地権が数多く残っています。

普通借地権

普通借地権は、借地借家法の施行後(平成4年8月1日以降)に成立した契約に適用される、更新を前提とした借地権です。
存続期間は最初の契約で30年以上と定めることとされ、当事者間でそれより長い期間を定めることも可能です。
期間満了後に更新する場合、最初の更新は20年以上、2回目以降の更新は10年以上の期間で更新されるのが原則です。
旧法借地権と同様に、借地人が更新を希望すれば、地主に正当事由がない限り更新が認められる「法定更新」の仕組みがあるため、借地人の権利は手厚く保護されています。
旧法借地権との違いとして、正当事由の判断要素として財産上の給付(立退料など)を考慮する旨が明文化された点や、存続期間の下限が明確に定められた点が挙げられます。
分譲マンションの敷地に普通借地権が設定されているケースもあり、その場合は区分所有者全員が借地人として地主との契約関係に立つ点も特徴のひとつです。

一般定期借地権

一般定期借地権は、借地借家法22条に基づき、契約当初から「更新をしない」ことを明確に取り決める借地権です。
存続期間は50年以上とし、契約更新をしないこと、期間満了時に建物買取請求をしないこと、期間延長の請求をしないことをあらかじめ書面(電磁的記録を含む)で定める必要があります。
期間が満了すると、借地人は建物を取り壊して更地にした上で土地を返還するのが原則であり、旧法借地権や普通借地権のように権利が継続することはありません。
地主にとっては契約終了時期が明確で将来の土地活用計画を立てやすく、近年は郊外の戸建て分譲や公共施設の敷地などで活用が広がっています。
居住用・事業用のいずれの建物にも利用できる点が事業用定期借地権との大きな違いで、戸建て住宅地の分譲から大型商業施設の敷地まで幅広い用途で採用されています。

事業用定期借地権

事業用定期借地権は、借地借家法23条に基づき、専ら事業の用に供する建物の所有を目的として設定される借地権です。
居住用建物には利用できない点が大きな特徴で、店舗・オフィス・工場・倉庫といった事業用途に限定されます。
存続期間30年以上50年未満で設定する場合は、更新や建物買取請求、期間延長請求を排除する特約を付けることができ、10年以上30年未満で設定する場合は、そもそも更新や建物買取請求という制度自体が適用されません。
いずれの期間で設定する場合も、契約は必ず公正証書によって締結しなければならない点が他の借地権と異なる大きな特徴です。
公正証書での締結が義務付けられているのは、後日の紛争を防ぎ、更新排除や建物買取請求排除といった重要な特約内容を明確に残すためです。
ロードサイド店舗やコンビニエンスストアの出店などで広く活用されています。

建物譲渡特約付借地権

建物譲渡特約付借地権は、借地借家法24条に基づき、借地権の存続期間を30年以上として設定したうえで、期間満了時に地主が借地人の建物を相当の対価で買い取ることをあらかじめ約束しておく借地権です。
建物が地主に譲渡されることで借地権自体は消滅しますが、それまで住んでいた借地人・入居者は、希望すれば引き続きその建物の賃借人として住み続けられる仕組みが用意されている点が特徴です。
地主にとっては将来的に建物ごと土地を手元に戻せる点にメリットがあり、借地人にとっても住まいを失わずに済む選択肢が残される点で、他の定期借地権とは性質が異なります。
他の定期借地権に比べると実際の活用事例は多くありませんが、将来的な土地の有効活用と借地人の居住継続を両立できる制度として一定のニーズがあります。

参考:e-Gov法令検索 借地借家法

借地権の種類 全比較表

借地権の種類と主要条件の比較
種類根拠法存続期間更新建物の種類特徴
旧法借地権 旧借地法 堅固60年・非堅固30年 あり(地主は正当事由なし不可) 問わない 借地人保護が最も手厚い。旧法契約は現在も多数存在
普通借地権 新借地借家法 最初30年、1回目更新20年、以降10年 あり(地主は正当事由なし不可) 問わない 旧法に準じた保護。堅固・非堅固の区別なし
一般定期借地権 新借地借家法 50年以上 なし(期間満了で終了) 問わない 終了後は更地返還が原則
事業用定期借地権 新借地借家法 10年以上50年未満 なし 事業用のみ(居住用不可) 店舗・事務所・倉庫など。公正証書が必須
建物譲渡特約付借地権 新借地借家法 30年以上 なし 問わない 満了時に地主が建物を相当価格で買取義務

借地権では地主の承諾が必要になることがある

借地権は地主から土地を借りて利用する権利であるため、建物や借地権について何でも自由に変更できるわけではありません。
契約内容や手続きの内容によっては、事前に地主の承諾が必要になる場合があります。
代表的なのが、次のようなケースです。

借地権を第三者へ譲渡するとき

借地権が土地の賃借権である場合、借地権付き建物を売却するなどして第三者へ借地権を譲渡するときは、原則として地主の承諾が必要です。
地主に無断で譲渡すると、契約上のトラブルにつながる可能性があるため、売却を検討するときは借地契約書の内容を確認したうえで、地主との調整を進めることが大切です
。 なお、地主から譲渡の承諾を得られない場合でも、一定の要件を満たせば裁判所へ地主の承諾に代わる許可を申し立てられる場合があります。
借地権付き建物の売却方法や地主の承諾について詳しくは、「借地権付き建物を売却する方法」で解説しています。

建て替えや増改築をするとき

借地上の建物を建て替えたり、大規模な増改築をしたりする場合も、借地契約の内容によって地主の承諾が必要になることがあります。
特に契約書に「増改築禁止特約」などが設けられている場合は、工事を始める前に契約内容を確認することが重要です。
建物の建て替えや増改築を検討するときは、地主へ相談する前に借地契約書を確認しておきましょう。

借地条件を変更するとき

借地契約では、建物の用途や構造などについて条件が定められていることがあります。
たとえば、契約上は木造住宅を建てることを前提としているにもかかわらず、鉄筋コンクリート造の建物への建て替えを希望する場合などは、地主との調整が必要になることがあります。
借地権では契約内容によって必要な手続きが異なるため、売却や建て替えなどを検討するときは、まず借地契約書を確認することが重要です。

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借地権付き物件のメリット・デメリット

借地権付き物件のメリットとデメリット
区分内容
メリット ・土地購入費を抑えられるため、都心など地価の高い地域でも取得しやすい
・相続税評価が所有権より低くなる可能性がある
・広い敷地をリーズナブルに利用できる場合がある
・固定資産税は建物のみで、土地の固定資産税は地主が負担する
デメリット ・地代を長期で払い続ける必要がある
・増改築や売却で地主の承諾が不可欠
・担保評価が低く、金融機関からのローン審査が厳しい場合がある
・更新時に更新料が発生することがある
・売却できる相手が限られ、市場流通性が低い

地代の相場と決まり方

地代の相場と決まり方 地代の相場と決まり方

借地権付きの土地を利用する借地人は、土地の使用料として地主に「地代」を支払います。
地代は全国一律で決められているものではなく、借地契約の内容や土地の固定資産税・都市計画税、地価、周辺の地代水準などを考慮して決められます。

地代の目安

地代を考える際の一つの目安として、土地にかかる固定資産税・都市計画税を基準にする方法があります。
一般的には、住宅用の借地では固定資産税・都市計画税の合計額の3〜5倍程度を年間地代の目安として考えるケースがあります。
たとえば、土地の固定資産税・都市計画税が年間10万円の場合、年間地代は30〜50万円程度、月額では約2.5〜4.2万円が一つの目安となります。
ただし、実際の地代は契約時期や土地の立地、契約内容などによって大きく異なります。
特に古くから続いている借地契約では、現在の地価や税負担と地代が必ずしも一致していないケースもあります。
そのため、「固定資産税の何倍だから適正」と一律に判断するのではなく、借地契約書の内容や土地の状況を確認することが重要です。

地代は途中で変更されることもある

借地契約が長期間続いている間に、固定資産税の負担や土地価格、周辺環境などが変化し、地主から地代の値上げを求められることがあります。
反対に、土地価格や税負担などの状況によっては、借地人側から地代の見直しを求めるケースもあります。
地代について地主と意見が合わない場合は、提示された金額だけで判断せず、現在の契約内容や固定資産税、周辺の地代水準などを確認したうえで話し合うことが大切です。

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借地権の相続・売却・譲渡におけるポイント

借地権は普通の不動産(所有権)よりも手続きが複雑になりやすく、地主との関係が必須となります。
法律と慣習が絡み合うため、専門家を交えたサポートが望ましいケースが多くあります。

相続時の注意点

借地権自体は当然に相続される

法定相続人が相続した場合、名義変更料(譲渡承諾料)は原則かかりません
ただし、遺言書で「〇〇に遺贈する」と記載されている場合(法定相続人以外への遺贈)は、承諾料が発生することがあります。

旧借地法か新借地借家法かを確認する

相続した建物が旧借地法契約かどうかは、土地賃貸借契約書の日付や地代の領収書の日付で確認するしかありません。
1992年8月1日以前であれば旧法適用の可能性が高いです。
契約書・領収書は必ず保管しておきましょう。

売却・譲渡時の流れ

不動産会社に相談してから地主への話し合いへ

売却が決まっていない段階で地主に相談するとトラブルになるケースもあります。
まず不動産会社で査定・方針を確認してから、地主との交渉に臨むのが得策です。

地主の承諾を得る

借地権を第三者へ譲渡・売却する場合、地主の承諾が必要です。
無断譲渡は契約違反となる恐れがあります。

承諾料の交渉

一般的に借地権価格の10%程度を承諾料とする慣行が多いとされますが、地域性や交渉力によって異なります。

売買契約と名義変更

地主から承諾書を得たら買主と売買契約を結び、名義変更を行います。
地代の支払先も新たな借地人へ切り替わります。

金融機関の融資事情

借地権付き物件は所有権物件より抵当評価が下がりやすく、住宅ローン審査で減額や否決となる場合があります。
ただし、借地権対応ローン商品を扱う金融機関もあるため、事前の情報収集が重要です。

関連記事:【借地権買取】買取先の候補やメリデメ・流れなどを解説

トラブル事例と解決の糸口

事例1:地代の大幅値上げでもめる

背景:地代が周辺相場より安いからと地主が一方的に値上げを通知。
解決策:借地借家法では地代の増減請求は公平性に基づき認められますが、請求額が不当に高いときは裁判所に調停を申し立てられます。
一般的には土地の固定資産税・都市計画税の3〜5倍をもとに交渉します。

事例2:建物を売却したいが地主が承諾しない

背景:築古の借地物件を売ろうとしたところ、地主が高額な承諾料を要求。
解決策:承諾料は地域慣習や裁判例により相場観があります。
不当に高い場合は弁護士等を通じて交渉し、最終的には裁判所への許可申立て(借地借家法第19条)という手段もあります。

事例3:相続した借地権をどうすべきかわからない

背景:遠方に住む子が突然借地権付き物件を相続。
建物は老朽化しており、維持も売却の方法もわからない。
解決策:このケースでは弊社が買取の選択肢を提示し、地主との交渉・手続きをすべて代行。
相続人が一度も現地を訪れることなく売却が完了した事例があります。

関連記事:相続人が多い不動産は売却できる?進め方とトラブル対処法を解説

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借地権の税務・評価

相続税・贈与税

借地権が相続や贈与の対象となるとき、国税庁の定める「財産評価基本通達」に基づき借地権割合をもとに算定されます。
地域ごとに借地権割合は30〜90%と大きな幅があります。

借地権評価額 = 路線価 × 土地面積 × 借地権割合

地主と借地人が同一人(自地自建)だと借地権は生じない扱いになりますが、複数の相続人間で権利関係が複雑化するケースもあるため、遺産分割協議の段階でしっかり把握することが重要です。

所得税(譲渡所得)

借地権を譲渡した場合の譲渡所得は、「譲渡収入 −(建物取得費 + 譲渡費用など)」で計算されます。
承諾料や地主との交渉費用が取得費に算入できるかどうかも確認ポイントです。
専門の税理士への相談をお勧めします。

よくある質問(Q&A)

借地権の基本

Q. 借地権と所有権の違いは何ですか?

A. 所有権は土地と建物の両方を所有する権利です。
借地権は建物のみを所有し、土地は地主から借りている状態です。
土地の固定資産税は地主が負担しますが、地代を継続的に払う義務があります。

Q. 借地権のある土地は購入できますか?

A. はい、購入できます。
ただし底地(借地権が設定された土地)として購入した場合、借地人がいる限り自由に使用できません。
底地と借地権をセットで購入・売却する方法が実務上よく取られます。

Q. 借地権付き建物の固定資産税は誰が払いますか?

A. 建物の固定資産税は借地人(建物の所有者)が負担します。
土地の固定資産税は地主が負担します。
これが「土地を買うより初期費用が抑えられる」理由のひとつです。

Q. 借地権は何年で消えますか?

A. 正当事由がなければ、地主が一方的に終わらせることはできません。
普通借地権・旧法借地権ともに更新が認められており、借地人が希望すれば半永久的に継続できる設計になっています。
定期借地権は契約期間満了で終了します。

Q. 借地権は登記しなければなりませんか?

A. 義務ではありませんが、登記しないと第三者(新たな地主など)に権利を主張できないリスクがあります。
ただし実務上は、借地上の建物を登記することで借地権の対抗力が認められます(借地借家法第10条)。
建物登記があれば、地主が土地を第三者に売却しても新地主に借地権を主張できます。

お金・相場

Q. 借地権の価格(売却価格)の目安はいくらですか?

A. 基本的な目安は「路線価 × 土地面積 × 借地権割合」ですが、実際の売却価格はこれより低くなることが多く、評価額の50〜80%程度が相場です。
建物の状態・残存期間・地主との関係など個別要因で大きく変わります。

Q. 地代の相場はいくらですか?

A. 一般的な目安は、土地の固定資産税・都市計画税合計額の3〜5倍(年額)です。
旧法時代に設定した地代はこの水準を大きく下回っていることもあります。

Q. 更新料の相場はいくらですか?

A. 法的な義務はありませんが、慣行として「借地権価格の3〜5%」程度が多いとされています。
契約書に更新料の記載がない場合は支払い義務がないとされることもあります(判例あり)。

Q. 譲渡承諾料(名義変更料)の相場はいくらですか?

A. 一般的には「借地権価格の10%前後」が目安です。
ただし地域の慣習や地主との関係で大きく異なります。
法的な上限はなく、交渉次第です。

Q. 借地権を売却するとき、いくらになりますか?

A. 物件・エリア・地主との関係などにより大きく異なります。
弊社(株式会社ネクスプラス)では無料査定を行っており、具体的な金額をお伝えすることができます。
お気軽にご相談ください。

売却・譲渡

Q. 借地権は地主の承諾なしに売れますか?

A. 原則として、第三者への譲渡には地主の承諾が必要です。
無断譲渡は契約違反となり、解除の口実を与えてしまいます。
ただし地主が不当に承諾を拒否する場合、裁判所の許可申立て制度(借地借家法第19条)を利用できます。

Q. 借地権の売却にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 地主との承諾交渉を含めると、一般的に3〜6か月程度かかることが多いです。
ただし買取業者への売却であれば、地主交渉を代行してもらえるため、スムーズに進むケースもあります。

Q. 地主が売却を拒否したらどうなりますか?

A. まず交渉を重ねることが基本です。
それでも拒否が続く場合、裁判所への「借地権譲渡の許可申立て」が有効な手段となります。
裁判所が許可を与えれば、地主の承諾がなくても売却できます。

Q. 底地と借地権を同時に売ると有利ですか?

A. はい、一般的に有利です。
それぞれを単独で売るより、セット(完全所有権)として売ることで市場性が高まり、合計額が増えるケースがほとんどです。
弊社はこの「同時売却の調整」を得意としています。

関連記事:底地・借地権を同時売却するメリットやタイミングを徹底解説

相続

Q. 借地権を相続するとき名義変更料は必要ですか?

A. 法定相続人が相続する場合は、原則として名義変更料(承諾料)は不要です。
ただし、法定相続人以外への遺贈の場合は承諾料が発生することがあります。

Q. 借地権を放棄することはできますか?

A. 借地権を「無償で返還」することは可能ですが、地主への無償返還は贈与とみなされ課税問題が生じる場合があります。
売却や買取業者への譲渡を検討した上で判断することをお勧めします。

法律・トラブル

Q. 借地権があるのに立退きを求められたらどうなりますか?

A. 正当事由のない立退き要求には応じる必要はありません。
地主が立退きを主張するには「正当事由+立退料の提供」が必要です。
一方的な要求には、弁護士に相談することをお勧めします。

Q. 更新を断られた場合、建物はどうなりますか?

A. 正当事由が認められ更新が拒絶された場合でも、借地人は「建物買取請求権」を行使して建物を時価で買い取るよう地主に求めることができます(旧法4条・新法13条)。

Q. 旧借地法から新借地借家法に強制的に移行させられることはありますか?

A. 基本的にありません。
旧法当時の契約は経過措置により旧法のまま継続され、新法への移行は双方合意の上での再契約が必要です。

Q. 無断で増改築した場合、どうなりますか?

A. 大幅な増改築を無断で行うと、契約違反とみなされる恐れがあります。
承諾が得られない場合は、裁判所に「増改築の許可申立て」をする制度もありますが、まずは専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

Q. 地主が変わったら、今までの借地契約は無効になりますか?

A. なりません。
土地の所有者が変わっても借地権は継続します。
建物の登記など対抗要件を満たしていれば、新地主に対しても従来の契約を主張できます。

Q. 地代を突然大きく値上げされたらどうすれば良いですか?

A. すぐに承諾せず、まず根拠の開示を求めましょう。
固定資産税の3〜5倍という目安をもとに交渉し、合意できない場合は調停・裁判という手段もあります。
弁護士や不動産鑑定士への相談が解決の近道です。

借地権問題は専門家のサポートが解決の近道

借地権問題解決のフロー

  1. 契約書・地代・地主との関係など現状の把握
  2. 売却・相続・更新など目的を明確にする
  3. 地主との交渉方針を策定(必要に応じて専門家が同行)
  4. 買取・同時売却・等価交換など具体的施策を実施

株式会社ネクスプラスの強み

弊社(株式会社ネクスプラス)は、不動産買取会社として借地権の買取・権利調整・不動産開発・再生・管理を得意としています。

権利調整ノウハウ

地主と借地人の両者の視点を踏まえ、スムーズな交渉と合意形成をサポートします。

不動産買取・再生サポート

借地権付き物件でも積極的に買取し、資金化を後押しします。
老朽化した建物の再生案や活用アイデアも提案します。

専門家ネットワーク

税理士・弁護士など各分野のプロとも協力し、相続税対策や契約書のリーガルチェックをトータルにサポートします。

借地権をめぐるお悩みは早めの対策がおすすめ

借地権は法律的に複雑なだけでなく、地主との長期的な関係が不可欠な権利です。
「家族が相続した借地物件を処分したい」「増改築したいが地主との話し合いがうまくいかない」「地主側として土地を取り戻したい」など、どのような立場からのご相談でも対応いたします。

弊社では地主・借地人の双方から中立的な立場で状況を整理し、売却・買取・権利調整のプランをワンストップでご提案します。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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監修者:宅地建物取引士 平山 賀千
(株式会社ネクスプラス代表取締役)